五月病(ごがつびょう)

皆さんは「五月病」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。
4月に新たに大学に入学、あるいは就職し、「よーし、頑張るぞ」と意気込んでいた人が、5月のゴールデンウィーク明け頃からいわゆるうつ状態に陥ってしまうというものです。なんとなく気が重くて、大学や会社に行くのが億劫だ…、なぁんて人、いらっしゃいませんか? そういえば自分もあの頃そんなことが…、という経験をお持ちの方も、きっとおられるのではないかと思います。

五月病は正式な病名ではありません。またうつ病とも異なります。医学的には「適応障害」の一つと考えられています。新しい環境にうまく適応できず、「何とかしなくては」という焦りのために、強いストレスを感じ、日常生活や社会生活、学業・仕事に支障をきたす、という状態です。
抑うつ、無気力、不安、焦りなどが主な症状で、不眠、疲労感、食欲不振、人とのかかわりが億劫などの訴えもあります。頭痛、吐き気を訴えることもあります。
一般的には新しい環境に慣れるにつれて症状もよくなると言われていますが、中にはうつ病になってしまうこともありますから、適切な対応が必要です。抗うつ薬や抗不安薬が用いられることもありますが、何といっても原因となっているストレスを除くこと、これが第一です。会社であれば、配属部署を変えるというのも一つの方法でしょう。

ストレスを受けやすい、溜めやすいタイプがあることが知られています。
まず真面目で几帳面なタイプ。責任感や正義感が強く、完璧主義者で何事にも一生懸命で、妥協しません。
次いで内向的でおとなしいタイプ。感情表現が下手で、いやなことでもはっきり「ノー」と言えないために、意にそぐわないことでも引き受けてしまい、あとでくよくよ悩むタイプです。
三番目が頑固で厳しいタイプ。他人のちょっとしたミスも許せず、頭ごなしに否定したり、カッとなったりします。自分の思うように事が運ばないと腹を立てます。
最後に心配性タイプ。些細なことでも心配し、気にします。いつも周囲に気を遣い、相手の調子に合わせるため、疲れてしまいます。
あなたはどのタイプですか? もっとも人の性格を特定のパターンにあてはめるのは困難で、このタイプに近いけど、別のタイプのこんなところもあるよな、というのが本当のところでしょうか。

でもこういう性格がストレスを受けやすいのであれば、なんとか対応できるかもしれません。
① 完璧主義をやめる … 8割もできれば上出来!
② 焦らない … 流れに身を任せることも必要。
③ ひとりで悩まず、誰かに相談してみる。
④ 規則正しい生活で体調を整える。
⑤ 十分な睡眠 … 五月病やうつは脳の疲労なので、脳を休めることが大切。
⑥ 自分を知り、不必要なプライドは捨て、自己を肯定する。
⑦ 感情に左右され過ぎず、冷静になる。

とは言っても、実際にはなかなか難しいかもしれませんね。

新しい環境に馴染むのは大変です。でもみんなが同じ道を歩んで来ているのです。偉そうな顔をしているあの人も、おっかない先輩も…。そう考えればあなただって大丈夫、きっと五月病から抜け出して、一人前になれますよ。

 平成27年5月14日
病院長 藤原正博

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