「色」の力

私達が目にする周囲のものには、みんな色がついています。空は青く、雲は白~灰色。周辺の田んぼの稲は緑を増しつつあります。それが秋になると黄金色になります。病院の建物は白っぽい色です。いろいろなお店はそれぞれ趣向を凝らして赤、青、緑など、様々な色で自己主張をしています。部屋の天井や壁は白色系がほとんどで、家具は茶系が多いようです。雨上がりの空には七色の虹が美しいアーチをかけます。
色がついているのなんて当たり前、と思いますよね。でも、じゃあ空が青いのはなぜ? 雲が白いのはなぜ? と問いかけられると、きちんと答えられる人は少ないと思います。そんなこと、考えたことない、という人がほとんどですよね。

私達が色を認識できるのは、網膜に錐体と呼ばれる3種類の知覚神経(S錐体:青を知覚、M錐体:緑を知覚、L錐体:赤を知覚)があり、それぞれが知覚した波長が混ざり合って脳に解読されるからです。
太陽や電球やろうそくなどの光源から発せられた光は、物体に当たると一部が通過し、一部が反射します。この反射した光を私達の網膜の知覚神経が感知するのです。ただし人間の目が感知できるのは380~780nmの範囲の波長のみで、これよりも波長の長い赤外線や、逆に波長の短い紫外線は見ることができません。

さて、難しい話はこれくらいにして、色にはそれぞれ特性があることをご存知ですか?
たとえば青。青は自由の象徴であり、また鎮静効果もあるそうです。それ故不眠に悩む人の寝室には青がお勧め。ただし青は憂鬱な気分をもたらす色でもあることから、気分の落ち込みやすい人と朝起きるのが苦手な人には青は禁物。仕事に関しては自由な感性を与えてくれる色なので、何かアイデアを見つけなくてはならない人達に最適、パソコンの画面背景を空色にすると効果絶大、なのだそうです。
他にも「刑務所の独房をピンク色に塗ると、収監者が暴れなくなる」「サッカーの試合では、黒いユニフォームを着ると反則をとられやすい」「ウエイトレスが赤い服を着ると、受け取るチップの額は2倍になる」「暖色の外装の店は、入りたいという気持ちを起こさせる」等々、様々な事実が示されています。ほんとかな、と思うかもしれませんね。でも本当らしいのです。

このような色の持つ力について、学術的な裏付けのもと、詳細に記述された書籍を皆さんにご紹介したいと思います。

◎ ジャン=ガブリエル・コース著(吉田良子訳)「色の力~消費行動から性的欲求まで、人を動かす色の使い方」 CCCメディアハウス発行

是非一度お読みいただければ、と思います。あなたの生活を豊かにし、仕事に役立つアイデア(色の使い方)が見つかるかもしれません。

平成28年6月23日
病院長 藤原正博

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