熱中症の話 その2

6月は急に暑くなり、熱中症で救急搬送される方が続出しました。体が暑さに慣れていないと、急な温度変化にうまく対応できないため、熱中症になりやすいと言われています。
7月に入り、これから本格的な夏を迎えますが、この夏はラニーニャ現象のために猛暑になると予想されています。熱中症には十分ご注意下さい。熱中症の病態や対処法については平成25年7月11日付のコラム54をご覧下さい。

ところで皆さんは「屋内なら熱中症にはならない」と思っていらっしゃるのではありませんか? 実はそうではありません。先日、「熱中症で死亡、9割が屋内」という記事が朝日新聞に掲載されました。その内容をご紹介します。
東京都監察医務院の調査によると、東京23区内で平成23年から27年の5年間に熱中症で死亡した人は365人(男性219人、女性146人)、そのうち約90%にあたる328人が屋内で見つかっていたそうです。その中でエアコンが設置されていたのは160人、しかし138人は発見時に使われていなかったとのこと。
また65歳以上が290人、一人暮らしは203人。死亡推定時刻は日中が142人、夜間が104人となっています。

高齢になると暑さ、寒さの感覚が鈍って来ます。夏の暑い日にもかかわらず、長袖を着て厚着をしているお年寄りって、けっこういらっしゃいますよね。エアコンなんて嫌い、という方もいます。そうなると熱が内にこもって気づかぬうちに脱水状態となり、変だなと思った時には身動きできず、そのまま亡くなられるということになります。周りに誰かいればいいのですが、一人暮らしだと誰も気づいてくれないかもしれません。

熱中症は早期の対応が重要です。病状が進んでしまうと救命は難しくなります。熱中症による屋内での死亡が多いのも、早期に発見されることが少ないためと思われます。
そうなると予防が大切です。できればエアコンを利用して温度調節をすること、どうしてもエアコンは嫌だというのであれば、窓を開けて風が通るようにし、扇風機で風を流すこと。また意識して水分を補給すること。のどが渇いたときはもちろん、のどの渇きを感じなくともまめに水分をとるようにすることが重要です。

人間は確かにいつかはお迎えが来るのですが、交通事故や自然災害、あるいは自分で予防できる熱中症などで、不本意な死に方をすることは避けたいものです。

平成28年7月7日
病院長 藤原正博

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