新語・流行語大賞

今年の世相を映した言葉を選ぶ「2016ユーキャン新語・流行語大賞」が発表されました。
年間大賞は「神ってる」。プロ野球広島カープの緒方孝市監督が、鈴木誠也選手の活躍を評して使った言葉です。
この他トップテンに入ったのは、「ゲス不倫」「聖地巡礼」「トランプ現象」「PPAP」「保育園落ちた、日本死ね」「アモーレ」「ポケモンGO」「マイナス金利」「盛り土」
ふーん、なるほど、という感じですね。
「神ってる」という言葉は、たぶん「神憑り」→「神憑る」→「神憑ってる」→「神ってる」という感覚で使われたのでしょうが、「神憑り」を動詞化した「神憑る」という言葉そのものが辞書には載っておらず、まさに「新語」ということになります。
日本語はもともと漢字、ひらがな、カタカナが混じり合い、しかも和製英語などもあってとても複雑なのですが、さらに様々な新しい言葉が生まれて、一層複雑化しています。

こんな言葉、知らないよ、というのが「ギャル流行語大賞」で選ばれた言葉。第1位が「沸いた」、以下「よき」「らぶりつ」「リアタイ」「最&高」「ソロ充」「やばたにえん」「ありよりのあり」「フッ軽」「きびつい」と続きます。皆さんはいくつご存知でしょうか。実際に使っておられる方、います?
因みに「沸いた」というのは、嬉しい!、最高!といった興奮状態の時に使用される言葉なのだそうです。他の言葉はどうせ私達には縁がなさそうですので、解説は省略します。

新しい言葉はインターネットを介してあっという間に拡がりますが、高齢者などインターネットに長けていない世代は取り残されます。その結果世代によって使う言葉が異なり、うまくコミュニケーションがとれなくなります。
時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、果たしてこれでいいのかなという疑問も湧いてきます。

社会を構成、維持するためには、コミュニケーションが重要です。医療の現場でもそうです。医療側患者側それぞれが、お互いを理解しなければなりません。そのためには言葉が必要ですが、お互いに通じる言葉でなくてはなりません。かつて(ひょっとすると今でも?)医療側は患者・家族と話をするときに専門用語を連発し、ひんしゅくを買いました。医療側がいくら一生懸命話しても、相手にわからない言葉で話したのでは、その思いは伝わりません。最近は医療側もできるだけわかりやすく話すよう努力はしているのですが、まだまだ不十分です。
逆に患者さんの側が医療側には理解できないような方言(これはこれで大切にしなければならないものだとは思いますが…)でしゃべったり、若い人が自分の世代でしか通用しない言葉を使ったりすると、やはり医療側との意思疎通を図ることができません。

以心伝心というわけにはいきませんので、コミュニケーションのためには言葉を大事にしなければなりません。新しい言葉がどんどん生まれることが悪いというわけではありませんが、仲間内ならいざ知らず、それ以外の人と話をする場合には、お互いに通じる言葉を用いるべきなのではないでしょうか。

平成28年12月8日
病院長 藤原正博

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