うわさ

以前患者さんのご家族からこう言われたことがあります。「お世話になりました。皆さんに親切にしていただいて、本当にありがとうございました。うわさに聞いていたよりはずっといい病院ですね。」
私はとても複雑な思いを抱きました。褒めていただいたのはとてもありがたいことなのですが、「うわさ? いったいどんなうわさ?」という思いがずっと尾を引きました。

人は皆、噂話が好きです。真実かどうかを確かめもせず、すぐに信じてしまいます。そして尾ひれがついて拡がっていきます。
私が直接耳にするのは稀なのですが、当院に関しては様々な「うわさ」があるようです。最近出前講座に出かけたある会場で、「柏崎総合医療センターの某先生は、どこか別の病院で医療ミスを犯してその病院にいられなくなり、総合医療センターに来たという話を聞いたのですが…」ということを言われました。私は「はあ~っ?」と言うしかありませんでした。もちろん事実無根です。思い切って発言して下さった方には感謝しますが、私の心の中は怒りでいっぱいでした。いったい誰が、何の目的でそういう根も葉もない悪質なうわさを流すのでしょうか。

「柏崎総合医療センターは紹介状がなければ診てもらえないのでしょうか」というご質問もよくいただきます。これもそういう「うわさ」が流れているためと思われます。前にも申し上げたように、当院は整形外科だけは紹介状をお持ちいただくようお願いしておりますが、他科については直接来院されてもOKです。本当はかかりつけ医からの紹介状を持って受診していただくのがベターなのですが、かかりつけ医を持っていない方もいらっしゃいますので、診療を拒否するようなことはありません。

国は病院を受診する患者を減らすべく、紹介状を持たずに大病院を受診した場合には、5,000円以上の特別料金を徴収するよう病院側に求めています。これまでは500床以上の病院が対象だったのですが、この4月以降は400床以上に引き下げられ、当院も該当することになります。
国の言う「普段はかかりつけ医、必要時に病院」という役割分担構想はわからないわけではありません。でも大都会ですぐ近くに開業医がいて、というのならいいのですが、地方ではそれほど医療資源が整っているわけではありません。病院を直接受診せざるを得ない人々が大勢いるということを、なぜ国は理解しようとしないのでしょうか。都会と地方で政策内容を違えるわけにはいかないということなのでしょうか。

話が横道に逸れてしまいましたが、悪意に満ちたうわさは一生懸命頑張っている病院職員を傷つけます。もしご不満や疑問な点がございましたら、是非その場でおっしゃって下さい。それが難しければ、投書でお知らせください。病院として責任を持って回答いたします。ご記名いただければ直接回答を郵送させていただきます。

当院の現状がベストでないことは十分承知しております。医師、看護師などスタッフ不足が皆様にご迷惑をおかけしていることも確かです。何とか改善に向けて努力はしているつもりですが、簡単には解決しません。でも今の状態でできる限りいい医療を皆様に提供していかなければなりません。当院スタッフは、全員がそのために努力しています
人の口に戸は立たぬ(立てられぬ)と言いますが、できることなら他人から聞いた話は是非あなたのところで止めていただきたいと思います。そしてホントかなとお思いになったら、ご自身の目で確認していただければありがたいと思います。

皆様のほとんどはいつか医療を必要とし、医療機関にかかることになると思います。その際に不信感を抱きながら病院にかかっても、けっして満足のいく医療は受けられません。いい医療のためには、皆様と私達医療側との信頼関係が何よりも重要なのです。
信頼関係を築くにはどうすればいいのか…、お互いを知り、理解し、お互いに敬意を払う、そして医療というものを理解する、それしかありません。根拠のないうわさに惑わされずに、しっかりと当院を、そしてそこで働くスタッフを見ていただきたいと思います。

平成30年2月8日
病院長 藤原正博

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