人事異動

平成29年度も残りわずかとなりました。行政機関あるいは一般企業、そして当院も、人事異動の時期でもあります。先日テレビ番組で財務省他各省庁の官僚の人事が話題になっていましたが、人事は不思議なことだらけです。
人を動かす部署(人事部)はいったいどういう思惑で人を異動させるのでしょうか。

当院は新潟県厚生農業協同組合連合会(新潟県厚生連)という組織に属する病院なので、定期的な組織内の異動があります。医師以外の看護師、薬剤師他各職種の人達は、厚生連本部の指示で様々な病院に異動します。私は病院長という立場ですが、人事異動については全く蚊帳の外です。意見を求められることもありません。もっとも病院長が人事に口を挟むとうまく回らない可能性がありますので、これも仕方がないのかなと思っています。

医師については病院間の異動ということはまずありません。各病院の常勤医は基本的には定年までずっと同じ病院に勤務します。それ以外に大学から派遣される若手医師が1~2年の周期で出入りします。さらに大学からは外来などの助勤という形で手を貸していただいています。

厚生連の人事異動がどういう基準で行われるのか私にはわかりませんが、2~3年で動く人がけっこういます。新しい所に移って来て、漸く慣れてさあこれから、というときに、はい、異動ですよ、というのは、本人にとっても病院にとってもあまり望ましいことではないと、私は考えています。
新人がいろいろなことを経験するために短期間で異動するのは意味があると思いますが、ある程度経験を積んで実績もあり、今後の活躍を期待されている人が突然異動ということがあります。それなりの年代で家庭を持っている人であれば、単身赴任を余儀なくされるという場合もあります。

人事異動は組織を活性化すると言われますが、必ずしもそうとは言えない場合もあるようです。以前県立病院に勤務していた某医師から、県立病院の事務職員は2~3年で異動することが多く、そのため仕事に集中できず、とにかくじっとして波風立てず、可もなく不可もなく過ごせばいいと考えているようだ、という話を聞いたことがあります。これが事実なら、いったい何のための異動? と言いたくなりますね。

ある部署で一つの仕事を成し遂げるためには少なくとも5年は必要と私は考えています。2~3年では無理です。異動させるのであれば、本人にとっても病院にとっても、そして組織にとってもメリットのある異動であってほしいと思います。

今の医療はチーム医療です。その実践の場である病院でチーム医療が機能するような異動であってほしい、しょっちゅうメンバーが変わってチームとしての活動に支障をきたすことがないよう、配慮してほしいと思います。

4月1日付けで大勢の人が異動します。これまで一緒に仕事をしてきた仲間がいなくなるのは寂しいことですが、次の職場で飛躍されることを願って送り出したいと思います。
また、新たに当院のスタッフとして加わる方に対しては、心より歓迎の意を表したいと思います。早く馴染んで、実力を発揮してほしい、そして、プロとしての自覚と自信と誇りを持って、謙虚さを忘れることなく、地域住民のために「いい医療」を提供してほしい、病院長としての切なる願いです。

人事異動のために、暫くは市民の皆さんにご迷惑をおかけすることがあるかもしれません。どうかご容赦いただきたく、お願い申し上げます。

平成30年3月29日
病院長 藤原正博

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