自然災害への備え

1月22日、首都圏で大雪が降りました。大雪とは言ってもせいぜい20センチ程度の積雪で、雪国の人々からみれば「なんだ、たいしたことないじゃん」と思いますよね。でも普段ほとんど雪の降らない地域の人々にとっては「大雪」なのでしょう。実際交通機関に大きな影響が出、滑ってころんでけがをする人が続出したようです。
雪国で生活する者にとっては「たまには東京にも雪が降って、雪国の大変さを味わってもらうのも悪くない」と思ったりもしますが、不謹慎でしょうか。

前日から大雪に警戒するよう報道がなされているにもかかわらず、普通タイヤで車を走らせ、スリップして事故を起こしたり、坂道を登れなかったりという事案が相次いでいます。雪国の人間にとって、雪道を普通タイヤで走るなんて、自殺行為にも等しいと思うのですが、東京の住民にはそういう危機意識はないようです。「経験」がないから仕方ないのでしょうね。
経験がないのなら経験者の言葉に耳を傾ければいいのでしょうが、多くの人はまあなんとかなるだろう、自分だけは大丈夫という妙な思い込みがあるようです。

健康あるいは病気に関しても同様です。自分は死なない、病気にはならないという根拠のない思い込み、中には自分は健康には自信があるという方もいらっしゃいますが、私に言わせれば「全くナンセンス」です。ヒトはいつか必ずお迎えが来ます。ほとんどの方が何らかの病気に罹ります。であれば、自分が病気になったときにはどうするのか、ある程度の心構えを持っていた方がいいのではないでしょうか。

さて、首都圏に関しては、将来高い確率で大地震が起こることが予測されていますが、今回のようにちょっとの雪で大きな影響が出るようでは、実際に首都直下型地震が起こった場合の被害は想像もつきません。多くの住民は地震に関しては他人事で、きちんと備えをしているようには見えません。被害が国の予想を上回るであろうことは、たぶん確実と思われます。

将来新型インフルエンザが流行した場合、大勢の死者が出ることが予想されていますが、多くの人々にとってはこれも他人事です。流行時に感染を防ぐには、外へ出ずに家の中にこもっているのがベストなのですが、果たしてどれだけの人がそれを守れるでしょうか。

政府の一番の仕事は国民の命を守ることではないかと思います。北朝鮮が核開発に邁進し、いつか日本に核ミサイルが飛んでくるのでは、という懸念のもと、防衛費が増額されるようですが、自然災害に対する備えに対してももっとお金をかけてもいいのではないでしょうか。それとも自然災害に対しては「想定外」で済ませてしまうつもりなのでしょうか。

1月23日に草津本白根山が突然噴火しました。近くで訓練中だった自衛隊員のうち一人が噴石に当たって死亡、他の隊員とスキー客10数名がけがをしたとのこと。
最後の噴火が3,000年前で、全く「想定外」だったとのことです。
自然の活動を予測したりコントロールしようとしたりするのは、人間のおごりでしかないのかもしれません。そうであれば起こり得ることに対しては可能な範囲で準備を整えることが必要なのではないでしょうか。

平成30年1月25日
病院長 藤原正博

カテゴリー: 院長の部屋