新型肺炎について

連日報道されているように新型肺炎の感染が拡大しています。
これは悪夢ではなく現実です。ただ、連日の報道は恐怖をあおる一方で、誤った知識を広めているのではないかと心配しています。人工呼吸器を実際に動かしている現場まで一般の方々に知らしめる必要があるのでしょうか。現場は危機感を共有して欲しいと考えて撮影に協力しているので、だから感染しないようにという呼びかけこそが大切なのです。

柏崎市でも4月18日に一人目の患者さんが確認され、感染症病棟を持つ指定病院へ入院の措置が取られました。
この肺炎を引き起こすコロナウイルスにはまだまだ不明な事が多いのも確かですが、わかってきたこともあります。

ウイルスの特徴:感染者の多くは「軽症」か「無症状」との報告があります。一部で非常に重症化すると言われています。若者で重症化する人はあまり多くなく、高齢者や50歳以上の合併症をお持ちの方の一部が重症化しているようです。

感染予防:他のウイルスと同じで、体内に入らなければ感染しません。空気によって遠くから運ばれてくることはありません。ウイルスに感染している人からの飛沫やウイルスが付着したものにより感染すると考えられています。それを防ぐために人との距離をとったり(ソーシャルディスタンス)、3密(密閉・密集・密接)のいずれかに該当することを避けてください。外出してウイルスを洗い流すのにしっかりした手洗いは大変効果があります。柏崎地域では、都会と異なり、少し意識すれば人と人との接近を避けることができるはずです。そしてそれが感染拡大の阻止につながるはずです。世界では有効なワクチンの開発が進んでいます。一部で試験を開始したものもあるようです。ワクチンが完成するまで、出来るだけ感染しないこと、感染させないことに注意してください。

柏崎地域へ帰省もしくは転入された方へのお願い:コロナ疎開などと言われるように、地方へ避難してくる方が増え、その中の方から感染者が出ていることも報告されています。柏崎地域へ帰省された場合には、2週間程度人との接触をできるだけ避けてください。もし、心配な事があれば、帰国者・接触者相談センターに相談してください。直接医療機関を受診するのは避けて下さい。事前にご連絡ください。医療従事者への感染防止にご協力をお願いします。

最も大切なお願い:我々医療従事者が戦うべきはコロナウイルスであり、誹謗中傷やでたらめな情報とではありません。残念なことに医療従事者の家族ということでいじめにあったり、感染者ということで地域の人から差別にあっている方もいるようです。今回の柏崎市の患者さんについても、誰かからどこかで感染したものであって、この方自身の責任を追及することなど誰にもできません。ウイルスの感染者の方には、完治していただいて、ウイルスへの抵抗力を身につけ社会復帰してもらいたいと思います。そういった人たちが感染の連鎖を防いでくれる存在になるのですから。ウイルスは見えないのです。いつどこで自分が感染するかわかりません。興味本位での犯人捜しのようなことはやめてください。柏崎総合医療センターにコロナの患者さんがいるのかとの問い合わせの電話がありました。現時点で判明していることは市や県のホームページに掲載しています。それ以上の情報が有る訳ではありません。病院への問い合わせはやめてください。また誤った情報を流すのもやめてください。日常診療に支障を来すばかりでなく、ウイルス対策に向けた取り組みにまで影響します。このウイルスは非常にずる賢いウイルスです。人を貶(おとし)めている暇があれば、感染拡大防止に協力してください。各自一人一人が、自分から人に移さないような気づかいをしてください。そして大事な人との時間を大切にしてください。
日本の医療は世界でもトップクラスです。重症者が急激に増えたり、病院に人が押しかけたりするようことがなければ、日本の医療は持ちこたえる力があると信じています。ついこの間まで全国の病床を大幅に削減しようという動きがあった訳で、集中治療室以外の病院のベットはたくさんあります。そして、この地域は過去2度にわたる大きな地震災害を乗り越えてきています。今一度、地域で力を併せれば、このウイルスの災害を乗り越えていけるはずです。長期間になるかもしれませんが気を抜くことなく頑張りましょう。自分自身へ、職員へ、そして地域の皆様への「エール」を送ります。
「みんな頑張れ」

病院長
相田 浩

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